豚丼「まむろ」(北海道・札幌)|「蛇の卵」

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豚丼「まむろ」(北海道・札幌)

(2007年11月08日)

北海道の話となると、個人的に強烈な思い入れがある土地と言うこともあって、どうしても構えてしまうのだが、今回は浅草のとんかつ屋の話をポストした勢いもあって、いきなり北海道の食べ物の話を書くことにする。

店は札幌の豚丼のお店「まむろ」
ちょうど6月の頭頃の話だ。

写真:札幌の豚丼のお店「まむろ」

「ぱんちょう」に代表される、十勝風の焼いた豚肉にたれを付けて乗せるタイプの豚丼は、実はかなり手強い料理だと思う。
どうしてかというと、料理方法がシンプルすぎて最終的には素材の質が味覚のほとんど全てを決定しまうからだ。以前に、新千歳空港で豚丼のたれを買ったので、東京に帰って近所のスーパーで普通に売っている豚肉で試しに豚丼を作ってみたら、豚肉の味が悪くて泣く泣く途中で捨ててしまったことがある。単純なようでいて、意外に十勝風豚丼が全国に普及しないのは、こういったあたりに理由があるのかも知れない。(大手牛丼チェーン店が出す煮込むタイプの豚丼は、肉の品質や味覚の差をごまかせるメリットもあるのではないかと思う)

札幌では由緒ある店ということで、以前から「まむろ」は行ってみたいと思っていたのだが、開店が午後6時なのでスケジュールの折り合いがなかなか付かなかった。北海道では行きたいところはたくさんあるので、そのうちこの店のことは忘れてしまったのだが、この日はたまたま近くを通りがかったら開店直後だったので慌てて飛び込んだのだった。

写真:札幌の豚丼のお店「まむろ」上豚丼

頼んだのはもちろん上豚丼。
料理の味のことを書くのは苦手なのだが、やはり健康で素直な豚肉の味が全てだと思う。それこそ北海道の広大な大自然が目の前に浮かぶような奥行きのある味わいが、香ばしい焼味とたれの味とともに口の中で広がるのは、この料理ならではだ。何の苦もなく、笑顔で完食した。

もちろんこれだけでもかなり心地よい体験だったのだが、実は一緒に出てきた味噌汁にはそれを上回る衝撃を受けてしまったのだ。

写真:札幌の豚丼のお店「まむろ」味噌汁

札幌はどの店もラーメンが美味しいのだが、その理由はやはり水の旨さにあると思う。東京にもラーメンの名店は数多いが、素材の味を引き出す基本的な水の旨さでは、やはり北海道にはかなわないのではないだろうか? 
この「まむろ」の味噌汁も、鰹と昆布の出汁の素材の良さに加えて、水そのもののおいしさがそれをうまく引き出して調和していて、一口飲んだ後におもわず椀をのぞき込んでしまったほどだ。ここの味噌汁は間違いなく僕が今まで生きてきてあちこちで味わってきた中で、一番に美味しい味噌汁だと断言できるし、うちの母親の味噌汁なんかよりもはるかに美味しいとさえも、なんの躊躇いもなく言えてしまう。こういう表現を嫌う人も、世間にはいるかも知れないが。

はたして採算は取れているのだろうか? これがおまけで無料で付いてくるとは贅沢な話である。
やはり北海道は奥が深い。

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