中国製なのだが、半分デザインで買ったようなものだ。往年の松下製BCLラジオ「クーガー2000」を連想させるようなデザインがいい。
海外ラジオの受信というと、今ではインターネットラジオで海外の放送が安定した状態で聴けてしまうため、以前よりもさらになじみが薄そうだが、しかし僕にとっては実家にいた頃のたまの気晴らしとしては、ごく自然なことだったのだ。どうしてかというと、大阪あたりでは北京放送(現中国国際放送局)の日本語放送が中波ラジオでわりと安定した強さでよく入り、また、ちょっとダイヤルをひねれば韓国のKBSラジオ国際放送の日本語放送なども同じように受信できたのである。
僕は別に在日韓国人や中国人ではない、れっきとした日本人なのだが、普段の日常生活に強い閉塞感を感じていた人間からすると、日本語放送とはいえ、テレビのお仕着せの海外報道とは違ったかたちで海外の空気に接することが出来るのは、胸のすく感触だったのだ。そのうち僕は親に安い短波ラジオを買ってもらい日常的に海外放送の日本語放送を聞くようになったのだが、そのころはよもや現在のようにインターネットが普及して、海外の動画までもが手軽に見られるご時世になるとは想像も付かなかった。しかしそれも今となっては懐かしい思い出の一つである。
東京に引っ越してきて少し残念だったのはこの点で、英語のAFN(旧FEN)は入ってもこれらの近隣アジア国の電波は(少なくとも中波に関しては)入ってこないのである(関係ないが、これが北海道あたりになると、ロシア語の放送が日常的に聴けたりするようになっているのだろうか?北海道移住を密かに企てる身としては興味深いところである)。
というわけでなんとなくネットで見かけたこのラジオを購入してみることにした。実のところ、Yahoo!オークションなどでは先の「クーガー2000」にしろソニー製の「ICF-5900」もどちらも出品されているのだが、いずれも古い機種と言うこともあってメンテナンスが面倒そうなので、中国製とはいえ現行品を買うことにしたわけだ。
ボタンは中国語で漢字を使っているとは言え読めない。でもなんとなく意味はわかる。
ちなみに説明書も中国語。
スイッチを入れると、大きな液晶ディスプレイがオレンジ色のバックライトで光る。
電源はAC200V仕様なので、ACアダプターのような小型の変圧器を使って100Vを昇圧する。これ以外にもDC6V入力や乾電池も使える。背面にはちゃんと外部アンテナ端子もあり、ふと中国の郊外の貧しい一般家庭が、家族そろってこのラジオを囲んで聞いている光景を想像した。もっとも今では彼の地の娯楽もテレビとインターネットが主流だろうが。
全体的には中国製とはいえかなりしっかりとした作りで、以前はよく見かけた物まね商品のような怪しさは微塵もない。
最近の日本製の短波ラジオは、ごくわずかにSONYがコンパクトなデジタル式のモノを出しているだけになってしまったので、あるいは以前日本でBCLラジオを開発していた日本人が、退職したのちに中国に渡って開発したのではないかとか、思わずそんなことを考えてしまう。
個人的な不満は、さすがに最近の機種だけあってちょっと感度がよすぎるために、極上のアンビエントとしても聴けてしまうあの短波ラジオのフェーディング混じりの局間ノイズがあまり聴けないことだ。実のところ、短波ラジオを買ったのはこれを聞きたい意味合いもあったのだが、さすがにそれは安物でないと駄目らしい。
あるいはそのうち自作でも……?でも他にもやること多いからなぁ。
新年も波乱の幕開けだ。


























